福島民友新聞社とふくしまFMが共同で展開する防災啓発特集「♯イイソナエキャンペーン」。
第5回のテーマは「火山噴火へのソナエ」です。
磐梯山噴火記念館の佐藤公館長に、過去の噴火災害の事例や
被害を避けるための意識・行動などについて伺いました。
磐梯山噴火記念館
わが国には111の活火山があり、本県では磐梯山、吾妻山、安達太良山、沼沢、燧ケ岳があります。このうち磐梯山は1888(明治21)年、吾妻山は1893年、安達太良山は1900年に噴火が発生し、磐梯山と安達太良山で多数の犠牲者が出ました。近年は吾妻山(一切経山)で複数回にわたり噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられたほか、磐梯山では昨年12月28日に24時間で777回の火山性地震を観測するなど、火山活動の高まりが懸念されています。
火山噴火は火口の位置や風向き、地形などによって災害が発生する地域が異なるのが特徴です。県内の各市町村は、火山の噴火形態や発生頻度、規模など想定に応じた複数のハザードマップを作成しています。
また、猪苗代町は2017年、磐梯山の噴火で避難する町民を受け入れる町外広域避難に関する協定を会津若松市、郡山市、磐梯町とそれぞれ結びました。火山周辺にお住まいの方は噴火を「他人事」と捉えることなく、ハザードマップや協定を参考に、状況に応じた避難経路をあらかじめ把握しておくことが重要です。
火山は噴火による甚大な被害の印象が強い半面、温泉や地下水、豊かな土壌、雄大な景観を私たちにもたらす「恵みの山」でもあります。情報を基に火山活動に関する正しい理解を深め、過去の教訓を基に災害への備えをしてください。
吾妻山大穴火口で確認された噴気=2015年3月、福島市
【福島民友新聞 2023年1月11日より】